10式戦車を作る 前編

3年前に購入して製作途中(着手してすぐ)で放置していたプラモデルの製作を再開した。1/48スケールの10式戦車だ。

タミヤの1/48ミリタリーミニチュアシリーズは手の平サイズの戦車シリーズ。飾る場所が狭くても良いので助かる。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 箱
2016年発売。Amazonで当時の購入価格は1,545円。

10(ヒトマル)式戦車は陸上自衛隊で2010年に正式採用された現在最新の戦車。三菱重工業が設計・製造している。スラローム射撃の動画姿勢制御の動画が面白い。

このプラモデルでは、砲塔の回転と砲身か僅かに上下可動するのみである。C4仕様という装備(マイナーバージョンアップ的なもの?)のモデルらしい。

部品の切り出し

今回の製作再開時点の状況。大体のパーツは切り離している。大きい部品はほぼ組み立て接着済みだ。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 部品の一部
砲身や車体上部、砲塔とバスケット等は接着まで済ませていた。

大きい部品同士もピッタリとほぼ隙間無く接合できたので、さすがはタミヤ製であった。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 カット途中のAランナーとCランナー
残りは2つのAランナーとCランナー。

ここから製作を再開。形状を見てどのパーツか判断出来そうだったので、まとめて切り出した。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 AランナーとCランナーの部品一部
不要部品が4個あった。

パーティングラインは基本的に消したりはしなかった。

塗装について

ブラモデル全般だが、塗装は基本的に以下の3系統の塗料を用いる。

  • ラッカー塗料
  • アクリル塗料
  • エナメル塗料

ラッカーの上にアクリル。アクリルの上にエナメル(又はラッカーの上にエナメル)という順序で塗料を塗り重ねて色分けを実現したり、作品の立体感を表現したりする。

今回はこれらの基本に従って塗装をおこなう。

大きい部品の塗装

迷彩塗装が必要な表面積の広い部品は、スプレー缶で塗装する。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 のスプレー塗装準備
車体下部、車体上部、砲塔、砲身、リヤパネルを濃緑色(迷彩のベース色とした)で塗装。

26個のホイール(車輪)部品もついでに塗装。こちらは濃緑色または茶色のどちらかである。ダンボール紙を短冊状に切って繋げた物を土台にした。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 をスプレー塗装した後
車輪がお花畑状態。戦車の足周りは同じ部品ばかりだ。

迷彩柄の塗装は紙粘土を使ってやった。エアブラシを所有していないので。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の迷彩塗装を紙粘土でマスキングする準備
説明書を135%拡大(ほぼ実寸サイズに)して印刷。迷彩パターンを参考にする。

粘土を迷彩模様の境界線に沿うよう配置。くっつき難く、調色スティックで少量ずつ押し付けていくと少しやり易いと分かった。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の迷彩塗装を紙粘土でマスキング
残したい緑の面を覆って隠す。

茶色を濃緑色の上に吹き付ける。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 を紙粘土でマスキングして茶色で塗装
緑と茶色のどちらを下地にするか悩んだが、今回は緑。

塗装して30分後位に粘土を剥がす。この作業は楽しかったが、残念な結果になった箇所もあり、終始一喜一憂した。

マスキングしたタミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の紙粘土を剥がす様子
所々紙粘土の繊維が残ったり、塗料のバリが出来てしまった。

6〜7割は上手くいったが、人にはオススメしない。エアブラシを持っていない人向けである。

水道水で水洗い&乾燥後、筆にシンナーの薄め液を含ませて、塗料のバリ部分を突いて馴染ませ誤魔化したりした。

紙粘土による迷彩塗装を施したしたタミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車
遠目には分からないが、所々迷彩模様の境界がボコボコしていたりする。

エナメル塗料のダークブラウンで全体的に墨入れ。網目の箇所はブラックを用いた。

スミ入れを施したしたタミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車
少し立体的になった。

マスキングテープを使ってサイドスカート(ゴムの泥除け部分)を筆塗りで塗装する。

マスキングテープを使ってサイドスカートを塗装中の1/48 陸上自衛隊 10式戦車
しかしここで失敗した。

おもいっきりハミ出してしまった。

サイドスカートのマスキングに失敗した 1/48 陸上自衛隊 10式戦車
ゲゲゲのゲー!

そもそも筆塗りでマスキングは難易度が高い。

デザインナイフで削っていたが、広範囲を削ぎ落とすのには時間がかかるので、急遽ドラッグストアでアセトン除光液を買ってきた。

pa アセトンリムーバー 260ml
サラサラで蒸発が早い。

しかしこれは強力すぎて下地のラッカー塗料(迷彩塗装部)までもが溶けて、地のプラスチックが露出したりして、余計大変な状況になってしまった

(アセトンは家具やフローリングのニスも剥がしてしまう液体なので取扱いには注意が必要)

結局筆で側面は上塗りして誤魔化した。

マスキングで失敗した 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の修復作業を終えた様子
丸1日かかった。コンチクショウ。

修復作業終わり。

サイドスカートの塗装が終わった 1/48 陸上自衛隊 10式戦車
側面の迷彩模様が少し変化してしまった。

塗装が終わったら、デカールを貼る。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 にデカールを貼る様子
全部で10箇所。

最後につや消しスプレー(トップコート)でコーティングしようと思っていたが、想像していたよりマットな色合いだったのと、後々手直しするかもしれないので止めておいた。

履帯はダンボール紙にカッターナイフで溝を入れて、マスキングテープを裏返して(粘着面を表に)貼付け、そこに乗せたりして塗りやすくした。

塗装中のタミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の履帯
Amazonの梱包箱に入っている底板は重宝する。

銀色をスポンジに着けて、ポンポンと叩き摩耗で露出した金属を表現してみた。

塗装の終わった 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の履帯
少し大袈裟かもしれない。

小さい部品の塗装

大きい部品と平行して作業は進めた。細部を精密に作るとよりリアルな感じになるので、丁寧にやりたい。

タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の小さい部品を塗装する色ごとに小分けにした様子
まとめて塗装してしまいたいので、色毎に袋分けしておいた。

塗分けが必要な部品もあるので、基本的なはラッカー塗料(スプレーの残りを塗装皿に吹き付けて採取)で塗装。塗分け不要な部品の一部はアクリル塗料を用いた。大きい部品同様にスミ入れを施す。

1/48 陸上自衛隊 10式戦車の小さい部品 塗装途中
保持する箇所を工夫しながら塗装中の部品。

戦車長のフィギュアを塗装する。

1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の車長
割と険しい表情をしている。

顔の発色を良くしたいので、あらかじめ白いサーフェイサー(下地)を吹き付けてみた。

ホワイトサーフェイサーを吹き付けた タミヤ1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の車長
モールドが埋まってしまうので1度吹きのみ。

人物に用いる塗料はほぼ持っていなかったので、調色して作る。タミヤの極細の筆でも細かい箇所の塗分けは難しかった。

顔は先に濃度の濃い明るい色で塗った後、薄く少し暗い色を塗って(スミ入れの要領)立体感をだした。迷彩服は筆で適当に模様を描いていく。

着色中の タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の車長
黄色人種を意識して、肌の色にオレンジを足したら黄色くなりすぎた。

これもエナメル塗料のダークブラウンでスミ入れ。

塗装済の タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の車長
迷彩はただの斑(まだら)模様になった。

最後にクリアーとフラットベースを混ぜた塗料を塗って光沢を抑えた。

塗装済の タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の車長 背面
背面のほうが迷彩柄っぽい。

これで塗装は全て終わり。

全ての塗装が終わった タミヤ 1/48 陸上自衛隊 10式戦車 の部品
並べていると組み立てたい衝動に駆られる。

前編はここまで。後編(組み立て工程)へ続く。

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