ホンダドリーム50カスタムを作る

本田技研工業のドリーム50は1997年から2000年にかけて販売されていた原付バイク。未走行の中古なら100万円以上で売買されている人気の車種である。

ホンダドリーム50

※画像はmotor-fan.jpから借用。

※プラモデルの記事なので実車をお探しの方はこちらからお帰りください。

現物はとても購入できそうにないのでプラモデルを作ってオーナー気分を少しだけ味わう。

青島文化教材社 ホンダ ドリーム50 カスタム
Amazonで1,700円。

これは青島文化教材社から発売されているプラモデルで、カスタムパーツを装備したタイプだ。過去にノーマルタイプや、レース仕様のタイプ等も販売されていたが、現在は生産終了していて一般的に入手できるのはこの商品だけだ。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム の中身
余剰部品があるので、ノーマルタイプを組むことも出来るかもしれない(未検証)

半分以上のランナーがメッキとシルバーで塗装済(これもメッキの一種?)である。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のランナーの一部
全塗装派の人は頑張ってメッキを落とすらしい。

この他にゴムタイヤ、ケーブル用のビニールパイプ、ネジ3本等が付属する。

製作方針

メッキ済み、塗装済みのランナーを活かして作る。基本的に必要最低限の塗装だけにする。面倒なので紙ヤスリを使った整形や合わせ目消しはしない。サーフェイサー(塗装下地)も吹かないし、スミ入れや汚し塗装もしない。

時間をかけず気軽に、遠目でそれっぽく見える物を目指す。

道具と材料

ニッパー、カッターナイフ、ピンセット、接着剤、アクリル塗料各色、など(書き出すのが面倒なので写真を参照)

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタムの製作に使用した道具と材料
悪気はないが後撮りだ。

この他に、キッチンタオル、爪楊枝、綿棒、調理用バケット、調色スティック(塗料をかき混ぜる棒)等を使った。

部品の切り出し

夜なべしてコツコツ切り出したパーツ。ガンプラ同様ゲート跡はカッターナイフで処理した。素組みガンプラならこれで8割は完成だ。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のパーツ
工程別に袋に入れたが、あまり意味のない行為だった。

スプレー塗装

大きい部品をピックアップしてスプレーで塗装。今回は始めてイージーペインターという物を使ってみた。

エアブラシの様に線の太さ(吹き出し量)の調節は出来ない。好みの色で大きい面積を塗りたい場合には有効な道具だと思われる。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム の赤い部品
赤の部品は2〜3回繰り返し吹き付けると上手くできた。

塗料の消費が激しかった。筆塗りと比較すると何倍も使う。スプレーやエアブラシには慣れていないので加減が難しい。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム の黒い部品
黒い部品には過剰に塗布してしまった。

シート部分はマスキングテープを使って色分け。

AOSHIMA HONDA DREAM50 CUSTOM Seat
境界部分が段差になっているので難しい。

たぶん正攻法ではマスキングゾル(ゴムの塗膜)を使うか、パーツ自体を切断分割してそれぞれを塗装するのだろう。しかし難易度が高そうなので今回は簡単に済ませた。

テープを剥がした直後。

青島文化教材社 ホンダ ドリーム50 カスタム のシート部分
あまり出来は良くないがこの位にしておく。

正直ここは上手く出来ず、これでも3回やり直した。

筆塗り塗装

メッキ部分には塗料がのらないので、塗装が必要な箇所には金属用プライマー(下地)を使った。

Mr.メタルプライマー改
1日放置すると少しベタつく糊の様な状態になるので、その上に塗料を塗る。

はみ出た箇所は塗装後に爪楊枝などで擦れば簡単に剥がせるが、誤って必要な箇所も剥がさない様に、かなり繊細かつ慎重にやる。

青島文化教材社 ホンダ ドリーム50 カスタム 左フロントフォーク
力を入れすぎるとメッキ層まで剥がれてしまう。

1日放置すれば手で触れる位にはり、重ね塗りも可能。完全に乾燥するのは1週間くらいかかるが、その後も爪で押すと跡が残るような塗料なので、扱いには注意する。

フラットカラー(つや無しタイプ)は性質的に乾燥後も剥がれやすい。触れないように気をつける。

青島文化教材社 ホンダ ドリーム50 カスタム の説明書
説明書の塗装指示はアバウトなので、ネットで画像検索して色のイメージを掴む。

メッキパーツがLED照明下でキラキラして眩しく、どこが塗れてどこが塗れていないのか判別し難い。日中の日陰なら判別し易そうだと、塗装済みパーツを眺めながら思った(日中にやる時間はないが)

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のチェーン部
油でギトギトになったようなチェーン。

クリア(透明)パーツのウィンカーとテールランプ。車両っぽくなるので好きな部品だ。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のウィンカーとブレーキランプ
一度塗りしたもの。なんとなくジュエリーっぽい。

メッキパーツのゲート跡は、隠すように筆でチョンチョンと塗ることにした。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のゲート跡塗装前
成形色が赤のものは最高に目立つ。

シルバーのパーツは「XF-16 フラットアルミ」(つや無しの銀色)を使用。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のゲート跡を塗装する様子
瓶から塗料をダイレクトに筆へ着けて塗る。

塗った後。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のシルバーパーツのゲート跡を塗装した様子
近くでみれば分かってしまう。

メッキパーツには「X-11 クロームシルバー」(つや有りの銀色)を使用。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のメッキパーツのゲート跡を塗装した様子
気安め程度の処置だ。

塗装が終わったら、バケットにクッキングシートを敷いて、ホコリがつかないようラップを被せておいた。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のゲート跡塗装後
乾燥させる必要はあるので、塗装面にくっつかない様少し浮かせて隙間を確保しておく。

最低1日は放置して乾燥させる。

塗装後のアオシマ ホンダ ドリーム50 カスタムの部品
全ての部品の塗装を終える。料理の下ごしらえのようだ。

デカールを貼る

一般的な水転写式のデカールである。

青島文化教材社 ホンダ ドリーム50 カスタム のデカール
メーターの目盛りやドライブチェーンの注意書きの文字もある。

雑に作ってきているので、細かく良くできているデカールに対して少し申し訳ない気がしてきた。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のサイドカバーにデカールを貼る様子
サイドカバーの塗装は鋳物のようにガサガサだ。

全てのデカールを貼り終える。メーターのデカールは部品に乗せるとクルクルと回ってしまい、位置を決めるのが難しかった。

デカールを貼った後のアオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム の部品
ピンセットはあまりつかわなかった。結局指と綿棒が頼りだった。

組立て

用意できた部品達を接着剤でくっつけてゆく。

メッキ部品や塗装済みの部品は、接着面の塗装をカッターナイフやドリル刃で削って剥がす。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のホイール
そのままくっつくかと思って1度試したが、やはりダメだった。
アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のホイール(接着面を削った後)
面倒だったので全面は削らない。
アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム のホイールを接着
フロントホイールは歪んでいるか何かで、結局隙間ができた。

説明書の工程に従い、本格的に組立て始める。前輪と後輪は付属のネジを使う。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム フロントタイヤ部位
前輪はディスクがフォークに干渉して回転しなくなってしまった。

ちゃんと作るならフロントのディスクは薄く加工するべきだろう(後輪は問題無かった)

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム リアタイヤ部位
タイヤの質感は抜群だ。

エンジン部分。ファンネルキャップは赤色の指示だったが黒にしている。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム エンジン部位
黄色のプラグコードがアクセントになっている。

本体フレームに組み込む。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム フレーム部位
ケーブルが邪魔になってくる。

リア部分をフレームに組み合わせる。チェーンは丁寧に塗り分けしたのに、エンジン側のスプロケットは隠れてしまった。

アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム フレームにリア部分を組み込む分部位
接着剤が他の部位に着かないよう慎重にやる。

フロント部分も組み合わせる。サイドスタンドは負荷で破損してしまいそうだったので、この後はメンテナンススタンドを用いる。

組立て途中のアオシマ ホンダ ドリーム50
通常の接着剤ではミラーを固定出来ず垂れ下がってしまった。

取り急ぎ瞬間接着剤を購入して使用した。

タミヤ TAMIYA タミヤ瞬間接着剤 高強度タイプ
プラモデル用というよりラジコン用ではないかと思う。

ヘッドライトやステップ等を装着。

ヘッドライトを組み合わせた アオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム
あまり変わり映えしないが、段々と手で持つ場所が悩ましくなってきた。

また、組立て途中にデカールが剥がれたしまったので、併せて購入したマークセッター(デカール用の糊)を使用。塗布して貼り直す。

組立て途中に剥がれたデカールをマークセッターを使って貼り直す
というか瓶の容量が多すぎて一生分はある。

ヨドバシドットコムで瞬間接着剤と合わせて400円位だった。

ガソリンタンクやシート、ナンバープレート等を接着。ケーブルをタンク内へ収納するの苦労した。

完成したアオシマ ホンダ ドリーム50 カスタム
全ての工程を終えた。感慨深い。

完成

大きさ。完成してみると意外と小さい。

アオシマ ホンダ ドリーム50 と コカ・コーラ350ml缶 と セイコー5の腕時計
フォルムの良さと満足感から、つい完成品をずっと眺めてしまう。

撮影して遊ぶ。

アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を左側から
スパルタン(体勢がキツそう)なバイクだ。

タンクにはヒケ(へこみ)がある。又、タンク右側には、いつの間にか接着剤かなにかが付着してしまった。落とせなかった為目立つ。

アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を右側から
ミラーの角度もまだ浅い気がするが、もういいや。

後ろから。フェンダーとタイヤが少し斜めになっている。調整しておけば良かった。

アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を後ろ側から
真後ろから見なければ分からないので、見なかったことにしよう。

前から。

アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を前側から
フロントフォークは塗り分けた甲斐あって良い。
アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を斜め左前から
斜めの角度から見るのが1番格好良い。

バイクはハンドルを切るかスタンドを降ろす以外動きをつけられない。

アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を斜め左後ろ側から
バイクのプラモデルで塗装をするのは、中学生ぐらいの頃に作ったホンダモンキー以来である。
アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を斜め右側から
カスタムモデルだが、ぱっと見だと一本だしマフラーの違い位しか分からない。
アオシマ ホンダ ドリーム50 の車体を斜め右前側から
ウインカーが少し上向きだが、上昇志向があるということでヨシ!
アオシマ ホンダ ドリーム50 と フジミ スーパーカブ110
昨年作ったホンダスーパーカブ110と。

改めてフジミ製のスーパーカブ110を見ると、スポークの細くて凄い。

アオシマ ホンダ ドリーム50 と フジミ スーパーカブ110 別アングル
同じホンダのバイクだが、コンセプトの違う2車種。

感想

たぶん30〜40時間を費やしたと思う。情報処理技術者試験が終わり、夜の余暇(子供達が寝た後の)時間が出来たので軽い気持ち始めたのだが、思った以上に時間がかかった。(最初の製作方針に反してしまった)

やり残しや失敗した箇所はあるが、総じて良く出来たのではないかと思う(原型が良いので)

アオシマ ホンダ ドリーム50
タンクの汚れも個性があってよろしい。

時間はかかったが、塗装と組立ては楽しかった。ひとつひとつの部品に愛着が湧いてくる。

アオシマ ホンダ ドリーム50
バイクのプラモデルは難易度が高い。

瞬間接着剤は必須だ。

上級者は本物同様にスポークを張り替える(真鍮やスチール線を使って)そうだ。今は時間的、技術的に無理だが、いつかやってみたい。

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